情報公開裁判(2)
判決の主要部分は、次の通り。
「1.当事者の合意のない限り公表しないという合意が含まれる協定に反して本件協定書を公開すれば、岩国市と米軍等の信頼関係が損なわれるおそれがあるから、条例7条7号の非開示情報に該当する。
2.さらに、本件協定書のすべての情報は同号の非開示情報に当たるから、条例8条1項の部分開示の対象にはならない。
準備書面でも口頭弁論でも、公開した場合に米軍にどのような支障が生じるのかが重要な論点であることを繰り返し主張してきたが、判決で一言も触れていないのはどういうことだろうか。原告の主張を採用できないというのであれば、そのことをきちんと説明すべきである。
被告からも米軍の支障に関する主張は何もなされていないことから判断すると、要するに、協定書を開示しても米軍にとって問題はないということになる。実質的な支障がないにもかかわらず、ただ形式的に協定書に書いてあるというだけでその開示に反対するというのは、もはや、法的保護に値する利益とは言えない。
また、公文書に含まれるいわゆる「公知の事実」については、誰もが知りうる状態にあり、開示しても当事者の利益が著しく損なわれることは通常考えられないことから、非開示情報には該当せず、条例8条1項に基づく部分開示の対象となると考えるのが、情報公開制度の常識であろう。従って、「公知の事実」について非開示を主張することは論理矛盾であり、法的保護に値する利益とは到底言えない。
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