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2020年8月 2日 (日)

渋谷健司の論考(2)

休業・自粛の繰り返しでは経済は落ち込むだけ
 経済再生と感染予防の両立のための基本戦略の柱は「徹底したPCR検査の実施」だ。特に、無症状感染者への対策がカギとなる今後の感染流行では、この戦略の重要性がさらに高まっている。
 PCR検査の拡大で、クラスター対策では追いきれない無症状者も含めた感染者を、他の方々が感染する前に見つけ出して、ホテル等の収容施設で療養してもらうことが何よりも重要だ。しかし残念ながら、こうした「検査と隔離」の戦略が十分に進められている状況とはいえない。
 第一波の死亡者数を抑制できたある種の「成功体験」の影響なのか、政府の感染予防策は、3密回避、「ウィズ・コロナ」の新しい生活様式、事業者向けのガイドラインなど、一律の行動変容や個人の努力に頼る施策に終始しており、今後のコロナとの戦いの基本戦略が明確に示されていないように見える。
 もちろん3密回避等は重要な事だが、これだけに頼っていては経済や社会が十分に回らない。誰が感染しているか分からず、また、職業上、接触減が難しい方も多い。病院や介護施設、サービス産業で働く人々は、接触5割減と言っていたら仕事の効率性への打撃が極めて大きい。
 全く感染リスクがない方と感染リスクの高い方を一緒にして画一的なリスク管理を行うことは極めて効率が悪い。しかも、個人の行動変容がいかに難しいか、そしてそれを長期間にわたり持続させていくことがいかに難しいかという点は、公衆衛生の分野では常識とされている。
 こうしたアプローチだけでは、自粛疲れの中、第一波のときのような効果が得られるとは限らない。結果として、大規模な休業・自粛要請等に追い込まれ、感染予防も経済再生も共に遠のくという最悪の結果も招きかねない。

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