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2020年8月 3日 (月)

渋谷健司の論考(3)

検査と隔離の拡大で、自粛を防ぎ経済を活性化できる
 コロナ対策の基本戦略が確立していないことの影響が如実に現れたのが、「Go To トラベル」キャンペーンを巡る混乱ではないか。地方経済の再生のために、旅行の促進をする意図は理解できるが、当然のことながら感染予防の観点からはリスクが増加する。
 多くの旅行者は感染者ではないが、感染状況が分からないために、行動を制限され、受け入れる旅行業者やホテルなどにも感染予防のために多くのコストがかかる。こうした不透明な状況では、やるべき、やめるべきとの二元論の議論に陥りやすい。

 イベントに関しても同様のアプローチが可能だ。つまりPCR検査で陰性が確認された方に経済を動かしてもらうという発想だ。 こうしたアプローチは、PCR検査数のさらなる拡大を通じて、感染者の隔離をさらに進める効果をもたらす、というある種の好循環にもつながってくる。
 当然のことながら、こうしたアプローチの大前提は、相当な数まで検査数を増加させることだ。他国の対応状況をみても、PCR検査体制を徹底的に拡大させたうえで、感染の状況に応じてその枠組みをスマートに活用することによって、感染制御と経済再生の両立に大きな効果があげられている。

 市場でのクラスターが発生した北京市では、新規感染者が30人強の段階で、エリアを限定して封鎖し、最大1日100万件以上の検査を行い、再燃を封じ込めた。ベトナムの観光都市ダナンでは、数名の陽性者が見つかった段階で、観光客を待避させ、検査を拡大し、封じ込めを行なっている。
 英国では、第一波での失敗の反省から、検査体制を12月までに1日50万件まで増やし、地域ごとにロックダウンができるような権限を与え、この秋からの本格的な第二波に備えている。 米国NIH(国立衛生研究所)は、検査拡大を出口戦略の柱にしており、秋までには週に100万件、12月までに1日600万件の検査を目指す計画を発表した。

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