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2010年4月30日 (金)

情報公開裁判(1)

 28日、「市長協議報告書」の公開を求める裁判の3回目の口頭弁論が、山口地裁で行われた。
 岩国市側の準備書面を見て驚いた。そのポイントは次の通り。
「終局的な意思決定に至っていない未成熟な情報が開示されれば、市民の間に種々の誤解が生ずるなどの事態が予測される・・・から、情報公開条例第7条第5号の非開示情報に該当する」
 要するに意思形成過程の情報を公開すれば市民を混乱させるから非公開と言っているが、条例には次のように規定されている。
「(市役所)の内部における検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるもの」

 協議中(意思形成過程)の情報の内の、「不当に」市民を混乱させるおそれがあるものに限り非公開としているのである。
 こうした趣旨は、市役所が作成している「情報公開の手引き」にさらに詳細に説明されている。
「「不当に」とは、情報を開示することの公益性を考慮しても、開示により予想される支障が看過し得ない程度のものであることを言う。「不当」かどうかの判断は、支障の及ぶ範囲、深さ、回復性、必然性その他支障の内容をあらゆる角度から検討した上で、開示により得られる利益と非開示により守られる利益との比較衡量により判断するものである」

 ここまで来ると、非公開とされる情報は極めて例外的なものに限られる、逆に言えば、ほとんどの情報は公開すべきものであることがよくわかる。
 情報が公開されることにより、市民は十分に意見を言うことができ、それが政治に反映される、まさに市民の知る権利が確保され民主主義が有効に機能することにつながることになるが、一方で非開示とすることにより守られる利益とは何であろう。市民の批判や反発を避け市長の保身を図る、個人的な利益がここに言う「利益」に該当しないことは言うまでもない。
 「手引き」にある「不当性」を証明する責任(立証責任)は行政側にあるが、そうした説明が一切なく、単純に意思形成過程にあるから非公開と決めつけることは、条例の趣旨に明らかに反する行為である。そんなことでは、ほとんどの情報が行政の恣意的判断で非公開とされるおそれがあり、条例をつくった意味がない。
 行政情報は、本来市民のものであり、原則公開されるべきである。非公開はあくまで例外であり、市民の利益が損なわれる場合に限定される。
 つまり、岩国市は、自ら作った条例と手引きを公然と無視する行為を続けているのである。法令を遵守するという行政の最低限の義務を果たしていない。

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