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2010年3月10日 (水)

知事の本音

「今回の米軍再編に対しては、現時点では、直ちに容認する状況にはないので、米軍再編を前提とした買い取りには応じられない。」

 知事の発言であるが、一読すると、米軍住宅化に反対だと思ってしまいそうである。しかし、私はひねくれているのか、いくつかの表現が気になる。
 まず、「現時点では」とあるのは、将来の変更の余地を残している。「直ちに」これも今は容認しないが、将来は変わるかもしれないと暗示しているように思われる。もう一つ、「米軍再編を前提とした」つまり前提でなければいいのであって、売却後の転用方法には関知しないと言っているようにもとれる。

 そこで、知事の本音を私なりに推理してみると次にようになる。
1.愛宕山を防衛省が買うとすれば、米軍再編が前提、米軍住宅ができることは百も承知である。むしろ、防衛省の方から、米軍住宅として買いたいと打診してきたのが始まり。その経緯は私の本「岩国に吹いた風」にも書いたとおり。
 東京ドームが15個も入るような広大な土地を、県の言う「国家プロジェクトに協力したから」と言って国が買うわけがない。そんなお人好しではない。これは初めて明らかにするが、愛宕山の土砂の買い取り単価をめぐって、広島防衛局長と副知事が大喧嘩をし、私が間に立って調整したことがあった。つまり、埋め立てに必要な土砂の単価のわずかな値上げでさえ、防衛省は頑強に抵抗したわけである。土砂を買うことで防衛省は責任を果たしたと考えており、単に滑走路沖合移設事業に協力したからと言って跡地全部を何の目的もなく買うことなど絶対にあり得ないこと。
 そんな状況の中で、「国家プロジェクトに協力したのだから国に買取を求める」と、聞いていて恥ずかしくなるような嘘を、議会や公の場で臆面もなく堂々と言う。もう少しまともな、もっともらしい説明はできないのであろうか。防衛省の人たちも呆れているに違いない。普通の感覚の人なら、決して言えない言葉である。

2.ここまでして市民をごまかそうとするのは、どうしてか。市民の反発が怖いからである。以前、知事と地元選出の自民党国会議員の東京での懇談の様子が漏れてきたことがあった。そこでは次のような会話が交わされていた。
 「米軍住宅を表に出したら、市長がリコールされるかもしれない・・・」

3.当初の目論見は、むりやり「無条件」で買ってもらって、後は、国が地元に説明という形をとろうとした。
 あまりにも虫のいい話であり、同じ政党に属する旧政権ならともかく、新政権はこれには乗らず、原則通り米軍住宅を建設するという買取の目的を明確にしてきた。
 国との意思疎通を欠く県は、逆に、国に地元説明を求め、あくまで、米軍住宅を隠し責任逃れをしようとする。

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